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服の歴史と構成を織りなす要素として民族衣装を研究材料にし、
そこから得られる機能性や美を服に落とし込み多方面から表現しています。

NEPAL

Photo by 田村正義 Masayoshi Tamura
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BANGLA VEST

BANGLAとはネパールグルン族の民族衣装として着用されている一枚布の事で、長方形の布の斜め対局の端を結び前でクロスさせるように着用するものである。着用以外にも役割があり、それは荷物を入れられるポケット、リュックのような使用方法である。たっぷりとした生地であるため、着用時にたゆみができ、そこに小物をしまう事が出来るようになっている。

 布一枚でまかなえる役割というものは果てしなく、日本の風呂敷にも通じる部分があるのではないだろうか。今回着用する物入れ、ないしバッグという考え方から前身後ろ身すべてに物入ンもあるベストに仕立てる事にした。背中は大きめのリュックのようなマチ付きのポケット。前身は2重構造になっており、ほぼ前身すべてがポケットの状態になっている。さらに表にポケットを2つ配置することで小分けに入れることも可能。これだけ着用すればバッグは不要と言えるレベルにまでできているのではないかと思う。

GRUKHA PANTS

グルカはグルカ兵からきたネーミングで、ネパールの山岳民族からなる傭兵集団が着用していたものからきている。かれらは1800年初期からラフレと呼ばれ傭兵として活躍しており、おそらくは先の大戦まで脈々と受け継がれた中で進化をはたしたのではないだろうか。戦闘服は生き死にが近いこともあり、生存のために思考がめぐらされ進化のスピードは早いといえる。おそらく、腰ひもでウェストサイズを調整できるようなパンツスタイルの物、もしくはネパールの低地周辺でも着用されるシャルワールなどが近代の戦闘服との融合を果たし、戦後日常着として着用されるようになったのでしょう。比較的金属製のバックルなどの調整器具がつきやすい現代のグルカパンツだが、あえてパーツ数を少なくしつつ、サイズ調整の可能なパンツとしてベルトパーツを伸ばし、右腰あたりで結ぶことでサイズ調整を可能とする仕様にした。太腿はややゆったりと、裾にかけてテーパードさせ、綺麗なシルエットになるようにした。ウェストで結んだひもがワンポイントになるようなクセと使い勝手が両立したパンツになっている。

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