INDONESIA

 インドネシア特有の音楽、ガムラン。そのスタイルは様々ですが、一般的にガムランの正装として言われているのがバジュ・サファリと呼ばれるスタンドカラーのジャケットです。少しあらたまった場所での演奏などによく着られています。南国故に、普段は比較的ゆるい格好をしている人が多い中、ぴしっとしたスーツを着てガムランを演奏する様はご高齢の方ほどカッコよく美しいですね。そんなバジュ・サファリをシャツで作ってみました。

 身頃は少しゆったりと、袖は細めにしています。袖の細さからくる腕を曲げた時の窮屈さを軽減するため、肘の部分を少し出し余裕を作っています。台襟は2段になっており、立たせて着るもよし、襟を追ってボタンで留めるのもよし、違った表情が楽しめます。また第2ボタンが隠しボタンになっており前を開けて着るときにちょうどいい開き具合になるよう調整しました。第3ボタンはインドネシアで現在ではお守りや祭事の時に使われるクリス(ユネスコ無形文化財指定工芸)という短剣と同じダマスカス鋼という金属を現地のクリスを作る加治屋さんにお願いし1個1個削りだしで作っていただきました。

服の歴史と構成を織りなす要素として民族衣装を研究材料にし、
そこから得られる機能性や美を服に落とし込み多方面から表現しています。

少し昔のインドネシア。
 まだ普段着としてサロン(腰巻)が主流だったころ、農夫は足に布を巻いた状態では動きにくいという事で腰に巻いたサロンの裾をたくし上げそのまま日本のふんどしのように股の間を通して後ろ腰にそのたくし上げた生地を挟み込み、短パンのような状態にしていました。

 

 それをヒントにして出来たのが、サロンパンツです。その形をもってサロンの通気性を再現出来ないかという試みで、股を覆う2枚からなるパーツの要所要所に空気の出入りできる隙間を作りました。もちろん中は見えないようになっています。その隙間は計5か所。人間の動きによってその隙間の微妙な開閉があり、中の空気が動くようになっています。

シルエットは裾開きになっており、太もも周辺を少しボリュームを持たせることでサロンを巻いた農夫のようにふわっとさせ、独特のシルエットになりました